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ジャンベとは
目次
- ○ 1)ジャンベの伝統文化
- ○ 2)ジャンベの形とつくり
- ○ 3)演奏の編成
1)ジャンベの伝統文化
ジャンベ音楽は、西アフリカのギニア、マリ、コートジボアール、セネガル、ブルキナファソに伝統が受け継がれています。この地域はその昔マンディング王国というひとつの大きな国でした。ジャンベ音楽の伝統はこの地域のマリンケ族ほか様々な部族によって口伝で伝わってきました。
ジャンベ音楽は私たちが普段耳にする音楽と違い、曲毎に深い意味があり、それぞれある特定のときに演奏されます。収穫を始めとする農作業や、勇者の踊り、精霊の声を伝えるマスクダンス、大人への通過儀礼のときや、ラマダンの終わり、婚礼、客人の歓迎、満月などの日常のお祭りなど。このように、生活の中にジャンベ音楽はなくてはならないものとして伝承されてきています。
私たち部族以外の者は、ジャンベ音楽の伝統をしっかりと認識して尊重する姿勢を常に持ち続けることを忘れずに、その上で民族楽器ジャンベを打楽器のひとつとして演奏したり、心を繋ぐための楽器として用いたり、曲を創作したりと、自由に楽しんでいけばよいと私は考えています。人の心を開き、人と人を繋ぐパワーを持つジャンベ。このすばらしさ、ジャンベの楽しさを、伝統の枠を超えてより多くの方に体感してもらいたいと思っています。
Djembe は、正確には「ジェンベ」を早く言ったような発音ですが、アフリカンたいこ教室Website では日本で広く使われている「ジャンベ」という表記をしています。
2)ジャンベの形とつくり
ジャンベは、レンケ・ゲニ・ドゥグラなどの硬い木をくりぬいて作られた、ゴブレット状の太鼓です。木の表面はシアバターを塗って仕上げているものが多いです。打面は雌山羊皮で、表面の毛を剃って仕上げます。鉄筋のリングとナイロンロープで皮を締めています。
ジャンベを作る木が選ばれると切り倒される前に祈りがささげられるのが伝統です。私たちも木の命と山羊の命に感謝しながらジャンベに触れ続けたいですね。
アフリカの楽器はクリアな音のままではなく「さわり」や「ビビリ」と呼ばれる音を加えたものが多くあります。ジャンベもそのひとつでソリストはセセ(SESE/KESING KESING)というブリキに穴を空け針金の輪を通したものを打面の縁に付けます。写真の3枚の羽のようなものがセセです。皆さんも試してみると面白いかと思います。
3)演奏の編成
伝統的な楽器編成は、ジャンベが2~3パート、ジャンベソリスト、ドゥヌンが地域により1~3パート。これに歌とダンスが加わります。
写真のように、ドゥヌン(Dunun)は、木を筒状にくりぬいた太鼓で、両面に牛皮が張られており、大きさの違う3種類があります。小さい順にケンケニ(Kenkeni)、サンバン(Sangban)、ドゥヌンバ(Dununba)と呼びます。
サンバンが曲の土台を担い、それより高音のケンケニと低音域のドゥヌンバが曲に色付けをします。利き手で木のバチを持ち、うちわを扇ぐような動きで叩きます。バチを叩いてすぐに打面から離すオープントーンと、打面にバチの先を付けたままにするミュート音を叩き分けます。反対の手では、短い金属の棒を持ちドゥヌンに付いているベルを叩きます。ベルは、日本の祭囃子の当り鉦(チャンチキ)同様、皆をリードする役割があります。
(Dunun写真提供JPC)
参考図書「西アフリカの太鼓を楽しむ ジャンベの叩き方」花岡 英一 (著、編集)
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