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ジャンベの皮の張り替え方~ジャンベの皮が破れたら~



ジャンベは、 失敗しないジャンベケースの選び方でご紹介したケースに入れ、ジャンベのお手入れ、メンテナンスでお伝えした通りに扱っていても、いつかは皮が破れてしまいます。
アフリカンたいこ教室の生徒さんは平均して6~7年、私自身は1年ほどで破れています。
新しい皮は弾力性がありますが、月日が経つにつれだんだん弾力性が少なくなっていき、温度や湿度の変化について行けず、ある日突然に「バンッ!」と大きな音と共に破れてしまうのです。私も毎度のことながらドキッとします。
東京都内では、ジャンベの皮を張り替え修理してくれる業者さんが数店あります。
自分で張り替えに挑戦してみたい方の為に、私自身が実際に行っているジャンベの皮の張り替え方をお伝えいたします。

目次

道具などの準備

1) 皮の張り替えに必要な道具類

ジャンベの皮の張り替えには、いくつかの道具が必要になります。
・先端を熱処理し細く固めた丈夫な4メートルほどの細いロープ(私は3mm径)
・穴あけポンチ(私は3mm径)とポンチ台
・金槌
・鉛筆など
・皮手袋
・水の入ったバケツ
・丈夫なハサミ
・よく切れるナイフ
・カミソリ2~4枚
・硬い40cmくらいの木の丸棒
・ロッキングプライヤ(先端が丸みがあるもの)
・シアバターなど

2) ジャンベの皮を求める

ジャンベの皮は一般的に雌の山羊皮です。先ずは、張り替えたいジャンベのサイズを測ってから、必要な大きさの皮を求めます。
測るのはジャンベの打面直径ではなく、その外側の一番大きい外径です。求める皮は外径より30~40cm大きい円が取れるサイズが必要です。
例えば、ジャンベの外径が40cmの場合、70~80cmの円が取れる皮を求めます。

私は毛が付いたままの物を求めることが多いですが、予め毛を落としてある皮を求めると、毛を剃る工程がなくなり楽です。
毛無しのジャンベ皮は、3種類あり上から順にお奨めです。
1.発酵槽に漬け、毛を落としたもの。
2.毛を剃り落としたもの。
3.薬品に漬け、毛を落としたもの。

ジャンベの皮は東京都内では数店舗が扱っています。私は浅草にあるドラム・パーカッション専門店で求めることが多いです。
ジャンベの皮は、お店側で選別してはいますが、穴などがないか自身でもよく見ながら選びます。
重いジャンベには重い皮を、軽めのジャンベには軽めの皮を合わせると、ジャンベ本体と相性のいい響きとなります。

ジャンベ本体の張り替え前処理

3) ジャンベのロープを解く

・ジャンベの横紐を解く

"ジャンベチューニング" でご紹介した方法の逆の手順で、横に編まれている紐をどんどん解いていきます。

・ジャンベの縦紐を半周弱まではずす

横の編みが全て解けると、その紐は縦のロープに一づづきになっていることがわかります。縦の紐はリングの半周弱くらいまではずすにとどめて、このように全体をゆるめます。

4) 破れたジャンベの皮をはずす


ジャンベから皮をはずします。


皮をはずしたジャンベ本体はこういう状態です。私は硬く絞った布で拭きます。
新しい皮の馴染みが良くなりますので、本体上部の皮が接するエッジ部分にはシアバターを塗っておきましょう。

5) ジャンベのリングを補修する


はずした皮には鉄筋を丸く曲げて溶接したリングがついています。
リングと皮をはずします。


リングが鉄丸出しの場合、リングのさびをサンドペーパーで落とします。最後にさびないよう薄くオイルをつけ乾いた布で余分を拭き取ります。後述のテーピングなどを施してあるリングの場合は、この作業及びテーピング、布巻き作業は不要です。


ここは省略しても大丈夫ですが、さびを防ぐためには、このようにビニールテープを巻きます。


テープを張った場合は必ずその上に綿などのウェスを巻きます。始まりと終わりはこのようにセロテープなどでしっかり留めておきます。


上から見た状態です。

皮の下処理

6) ジャンベの皮を丸く切る


山羊皮の背骨部分を見つけます。毛並みは頭からお尻方向に向かっています。このように毛が付いている皮を表から見ると分かりやすいものもありますが、裏から見ても、毛が落としてある皮でも、山羊の背骨部分は皮の色が少し違うのでしっかり見極めましょう。


ジャンベの皮を裏返した状態で、先程の表向きの写真のように、背骨の中心とリングの中心を合わせ、リング径よりも15cmくらい大きな円を鉛筆等で描き、それに沿って皮を丸く切ります。

7) 皮の周囲に穴をあける


ジャンベの皮を裏返した状態のまま、皮の外周から3センチくらい内側のラインに穴あけポンチで穴を開けていきます。まず背骨の頭側の位置とお尻側の位置に開け、後はほぼ均等に数センチ間隔で、一周穴を開けます。

8) ジャンベの皮の水戻し


カチカチの山羊皮を水に浸けます。2~3時間で、このように柔らかくなると思います。ゴミや血などをよく水で洗ってやります。
その後、傷まないように、かならず毎日水を替えながら、3~4日は浸けておくと皮の伸びが良くなります。ここはとても重要なポイントです。私は毎日水を替えながら季節によっては一週間浸けておくこともあります。

9) 皮の巾着を作る


水で戻した皮を、振り回したり、しばらく掛けておくなどの方法で水をよく切ります。乾いてしまわないように注意してください。
ジャンベの皮を毛が生えている表面を上にし、リングを中心に置きます。
丈夫な4メートルほどの細いロープの一端に、写真のような輪の結び目を作ります。写真のように背骨の頭側の位置に先ず通します。順に隣の穴へと通して行き、ロープを一周させ、キューッと引っ張り巾着を作ります。写真では分かりやすいように黒い太いロープですが、実際は次の写真のような細いロープです。


一周したロープに対して、星を描くように対角線にロープを引っ張りながら掛けていき、最後は緩まないように、かつ後でほどけるような結びで留めておきます。

10) 皮をジャンベ本体へのせる


ジャンベ本体上端と、そこに乗せておいた縦紐とつながっているリング、この間に皮をすべり込ませます。

ジャンベロープ張り

11) ジャンベロープ張り (1)


ここで皮手袋をはめます。(写真の軍手では手が痛くなりあまり意味がありません)
最初は力を入れず、少しずつ縦紐のたるみをなくすように軽く引いていきます。縦紐をはずしてあったところまで来たら、縦紐を順次上のリングと下のリングの紐に掛けていきます。はずしていなかった部分を良く見て同じように掛けて行って下さい。ここで、掛けそびれがあるととても大変ですので着実に進めます。
皮が本体中心に乗っているよう常に押えながら進める事が重要です。
急に力を入れず、一周する毎に少しずつ少しずつ力を加えていくのがコツです。

12) ジャンベロープ張り (2)


手ではもう締められないというところまできたら、硬い木の棒をてこに利用します。
ジャンベを横にして、本体にまたがります。


締めた所をロッキングプライヤで戻らないように留め次の縦紐を締めて行きます。ロッキングプライヤで皮を傷つけないように注意します。この作業を一周するまで繰り返し進めていきます。

13) ジャンベロープ張り (3)


最後は、縦紐の始まりのところが輪になっていると思いますのでそこに掛け、下のリングの紐に掛け、ゆるまないように、かつ後でほどけるような結び目を作っておきます。

14) ジャンベ皮張り 第一弾完了


このように皮の面からリングが1~2cmくらい下がっていれば大成功です。下がりすぎ、その逆、どちらも避けたいところです。

ジャンベの皮の毛剃り

15) 皮の毛剃り準備


皮を絞っていたロープをほどき、皮を下ろした状態にし、下りている皮をしわを伸ばしながら先程ほどいた同じロープでぐるぐる巻きます。

16) 皮の毛剃り

※毛を落としてある皮を求めた場合はこの工程は不要です。



カミソリで打面の毛を剃ります。手元側の刃は厚紙等で覆い自分の手を切らないようにして、斜めに構え剃っていくのですが、こればかりは慣れが必要です。うっかりして皮に刃が刺さると、今までの作業とせっかく張った皮が無駄になってしまいます。

17) 毛剃り完了


剃り上がりです。

ジャンベの皮の仕上げ

18) ジャンベの皮の天日干し


この状態で日のあたる風通しのいい場所でジャンベを横にして少なくとも3日間は干します。

19) 皮の周りをカット


皮が硬く乾きましたか?乾いたら、皮を下ろし絞っていたロープをはずし、皮の周囲を5センチくらい残し丈夫なハサミできれいに切っていきます。このとき縦紐を誤って切ったりしないように十分注意してください。


ジャンベ皮の周囲を切って仕上げた状態です。

ジャンベロープ張りの仕上げ

ジャンベロープの本締め


もう一度、縦紐を硬い木の丸棒で締めて行きます。(写真はジャンベ皮を剃る前のものを流用しています)

余り紐の始末

ジャンベ紐留め方
最後はこのように下リングのロープを通し、縦紐2本の下をくぐらせます。余り紐は皮張り替えやチューニングの際必要なので、切ったりせず、ジャンベに巻きつけるなどしてください。ジャンベの打面を叩いてがいい音していると大成功です!音がゆるい感じであったり、日が経つにつれジャンベの鳴りが今ひとつとなってきたら、チューニングをする必要があります。ジャンベのチューニングについては、「ジャンベのチューニングの方法」をご覧ください。
これでジャンベの皮の張り替え完了です!

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